研究課題/領域番号 |
18K02757
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
衛藤 吉則 広島大学, 文学研究科, 教授 (60270013)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | シュタイナー / モンテッソーリ / 発達障害児教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、国内外で急増する「発達障害児」に対し、シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の理論と・実践を通して、有効なモデルを提示することにある。今年度は、シュタイナーとモンテッソーリの発達障害児教育の理論・実践に関する基礎文献を研究し、臨床的な実践の場を創設することを目的とした。 実践機関については、申請したNPO法人シュタイナー&モンテッソーリ・アカデミーが2018年11月29日が承認され、その活動として、まずはシュタイナー教育施設シュタイナーハウス・モモが2019年4月1日に認可された。理事長を本研究代表者である衛藤が務め、常勤の児童発達支援管理者1名、保育士3名、看護師1名、非常勤の送迎担当3名で、29名の子どもたちの療育を開始した。 理論研究については、まず、2018年11月13日に、モンテッソーリ学会の佐々木信一郎氏とともに、シュタイナーやモンテッソーリ教育に共通する「個人差」を重視する教育について研究する「個人差研究会」の創設(福島大学)に向け議論を進めている。シュタイナー教育に関する理論研究の成果として、「生の哲学に基づく教育的関係の可能性-ニーチェ思想とシュタイナー教育学の交差点」丸山恭司・山名淳編『教育的関係の解釈学』(東信堂、2019年、3月20日、44-60頁)や、「近代日本の教育思想史をどうとらえるか」平田諭治編『日本教育史』(ミネルヴァ書房、2019年1月30日、175-193頁)、「生の哲学としてのシュタイナー教育思想」『HABITUS』(西日本応用倫理学研究会、2019年3月20日、17-30頁)を公刊した。また、2018年に刊行された拙著『シュタイナー教育思想の再構築』(ミネルヴァ書房)について、『教育哲学研究』(教育哲学会)や『ホリスティック教育/ケア研究』(ホリスティック教育/ケア学会)等に書評が掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床研究を進めるためNPO法人を創設できた点は大きな成果だが、そこにかなりの労力と時間をかけたため、文献研究の進度が少し遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年4月に開所した私たちの実践施設での教育観察をもとに、シュタイナーとモンテッソーリ理論の妥当性を考究していく予定である。その成果を学会発表や論文にまとめていきたい。
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