研究課題/領域番号 |
18K02823
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
仲道 雅輝 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (90625279)
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研究分担者 |
竹岡 篤永 新潟大学, 教育・学生支援機構, 特任准教授 (30553458)
根本 淳子 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (80423656)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学習経験の質モデル / 初年次教育 / 学習者要因 / 環境要因 / インストラクショナル・デザイン / ID美学第一原理 |
研究実績の概要 |
本研究は、前研究の成果である「授業改善ヒント集:学習者要因編」と一対になる「授業改善ヒント集:環境要因編」等を作成し、初年次教育において学生の学習経験の質を高めるための「学習経験要因モデルによる主体的学習者育成プログラム」を開発し評価することを目的としている。 令和3年度は、国内外の先行研究調査を経て、授業改善ヒント集を日本リメディアル教育学会誌に投稿し実践報告として採録された。さらに、ヒント集の内容の教育実践への適用を試み、愛媛大学初年次教育にあたる準正課教育プログラムである「環四国サイクリングプロジェクト」に授業改善ヒント集を活用した。本プロジェクトはPBLにより実施されており、本授業実践は、学習経験の質を向上させるための授業実践として行い、受講学生を対象としたデータ収集と分析を行った。プロジェクトでの実践の成果や影響については、大学教育実践ジャーナルに投稿し、実践報告として採録された。 今後、対象教員数を増やしていくことで、より充実した授業改善ヒント集を完成させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により一部の分析については、持ち越して実施できた。授業改善ヒント集の項目洗練化のためのヒアリングを行い、学習経験要因モデルに見識のある教員への半構造化面接法により、学習経験の質を向上させるための授業の工夫についてデータ収集を行った。収集したデータを分析し、得られた結果をもとに文言の変更、抽象度の確認など行い、授業改善ヒント集:環境要因編を完成させた。授業改善ヒント集:学習者要因編の授業への適用については、愛媛大学初年次教育プログラムの準正課教育であり、PBLで実施している「環四国サイクリングプロジェクト」等で実施した。本授業改善ヒント集は、コロナ禍以前に原案を作成しており、対面授業の中止や大学への立ち入り禁止などの対策により、学習環境の劇的な変化があり、このような授業形態の変化がヒント集の適用に影響することが予想された。そこで、コロナ禍においても、比較的対面の機会が確保されていた準正課教育での適用を選択した。授業改善ヒント集:学習者要因編の適用により、サイクリングプロジェクトの実施方法を工夫した。具体的には、学生間の交流期間を長くすることで、関係性の構築を促進するなどの改善を行い満足度や充実度が向上するなどの結果が得られた。このようなヒント集による授業改善が教育実践の向上に有用であることが分かった。
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今後の研究の推進方策 |
授業改善ヒント集:学習者要因編の準正課教育への適用により、ヒント集の有用性が確認できたとともに、対面とオンラインのブレンド型授業であっても活用可能であることが推察できた。しかしながら、ヒント集の具体的改善につながるデータの収集には至っておらず、今後、さらに詳細な調査を行い、授業の形態が対面でもオンラインでも活用可能なものに発展させていく必要がある。さらに、準正課教育は、通常の学内授業に比較して、学生自身の主体性が求められる教育であり、本授業改善ヒント集の効果が発揮できると考えられる。引き続き、授業実践への適用とデータの分析をもとに、学習者要因編の活用ガイドラインにつながる実践事例の蓄積と成果の分析が必要である。次年度は、ガイドラインの完成に向けて本研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響と、学会での情報収集がオンライン中心となり、対面参加の機会減少や体調不良等により研究打合せの機会を数回延期したことも重なり、再調整が必要となったため、使用額に残額が生じた。しかし、研究の進捗には、大きな影響はなく進めることができている。
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