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2018 年度 実施状況報告書

SA・TA育成者ネットワークの構築とSA・TA活用により教育の質的転換を促す研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K02831
研究機関成蹊大学

研究代表者

勝野 喜以子 (松本喜以子)  成蹊大学, その他部局等, 教授 (90316935)

研究分担者 佐藤 万知  広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (10534901)
鈴木 学  福島大学, 総合教育研究センター, 特任准教授 (70723542)
加藤 かおり  国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 総括研究官 (80323997)
足立 佳菜  東北文教大学, 人間科学部, 講師 (20723539)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード授業改善 / 教育改善 / TA / SA / 実践研究
研究実績の概要

本研究では、SA・TAの導入による教育改善のメカニズムはどう説明できるのかを明らかにすることを目的にしており、2018年度はデータと情報の収集を行った。
活動概要:6月には東京で全体でのミーティングを実施し、各人の分担に関して整理した。また8月には福島大学にて、鈴木、足立、勝野の3名で、後期からの実践研究にむけての打ち合わせを実施した。2018年度は、成蹊大学にて前期1クラス、後期4クラスでSAの活用による授業改善の実験を行っており、教員に対するヒアリング調査(前期のヒアリングは加藤が、後期のヒアリングは佐藤が担当した。)も実施した。この実験では、SAの導入が教員の意識改革と授業改善にはつながったが、成蹊大学の学生の場合には学生に学習態度が身についていないために、想定していた効果が得られていないということも分かった。これらの結果の一部は、東京工業大学で2019年1月30日に行われた教育改革シンポジウムでもその一部を報告した。
海外訪問調査:アメリカのコロラド大学で行われている学部学生による授業支援に関して、訪問調査を行った。コロラド大学ではLA(Learning Assistant)と呼ばれるSAを教育改革のツールとして大々的に導入し、教育改革に成功している。学部学生であるLAの導入は全米に広がっており、日本においても大学院生の不足している中小の大学にとっては学部学生をどう活用するかは重要な検討課題の一つであると考える。
今後にむけて:2019年度のアンケート調査の実施に向けてアンケートのたたき台の作成も行った。また、SAやTAのネットワーク構築に向けてメーリングリストを作成した。2018年段階では、13大学15名がメーリングリストに登録されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、「SA・TAネットワークの構築」「SA/TAの導入による教育改善のメカニズムの解明」「SA・TAのガイドライン作成」を目指している。
「SA・TAネットワークの構築」は2018年度にメーリングリストを作成したことにより、すでに交流が生まれつつある。2019年度にアンケートを実施することで、さらなるメンバーの増加が見込まれるとともに、さまざまな交流が生まれることが期待される。
「SA・TAの導入による教育改善のメカニズムの解明」に関しては、2018年度にもヒアリング調査などを実施しており、さらなるインタビュー調査とそれらの調査データの分析により、どの部分が授業の改善に効果を上げているのか、もしくは、何が足りないのかを明らかにしていくことが可能になると考えられる。
「SA・TAのガイドライン作成」に関しては、2019年にSA/TAネットワークが本格稼働してから取り組むことになるが、現段階でもすでに、SA・TAを使う教員に対するマニュアルや、SA・TAを効果的に活用するために授業をどう改善したらいいのかという点に関する参考資料が必要となっており、随時手を付けている状態である。実践に基づいたこれらの資料を一般化することで、ガイドラインに盛り込んでいくことを考えている。

今後の研究の推進方策

2019年度は、成蹊大学にて、SAを活用した授業改善実験を、前期:5クラス、後期:4クラスを予定している。また広島大学では、TF(Teaching Faculty)を導入した授業改善実験を1クラス予定している。今年度の実験では、授業開始時と終了時に行う調査として、SA・TAの業務に対する意識調査と授業での理解度の調査を目的としたコンセプトテストを実施する予定である。
また、2019年度にはこれまで準備をすすめてきた「授業の中でのSAやTAの活用に関するアンケート調査」の実施を予定している。この調査では国内の大学におけるSAやTAの実態(授業に導入しているのか?ラーニングコモンズのようなところに配置しているのか?どんなことをSA・TAの業務としているのか?採用基準やトレーニングなどはどうしているのか?など)を把握することを目的にしている。また、アンケートの回答者の有志を募って、SA・TAネットワークの拡大を図り、メンバー間の情報交換を進めることにより、現場レベルで抱えているさまざまな問題を明らかにするとともに、それらの解決方法などを一般化して、今後、ガイドラインを作成する際に考慮できるようにすることも目的の一つである。
録画やアンケートデータなど集めた資料の分析に関しては、2020年以降の研究となる予定である。

次年度使用額が生じた理由

分担者において予定していた購入物品のうち、アンケート調査に使用するものなどは、アンケート調査の実施直前に購入することになったため次年度使用となった。アンケート調査は2019年度内の実施を予定しており、アンケート調査に伴う印刷・郵送などの準備や作業費は2019年度に発生する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 学生アシスタントの育成プログラムの開発と評価 -成蹊大学公認Qualified Learning Assistant制度について-2018

    • 著者名/発表者名
      勝野 喜以子
    • 学会等名
      日本教育工学会

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公開日: 2019-12-27  

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