研究課題/領域番号 |
18K02831
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
勝野 喜以子 (松本喜以子) 成蹊大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90316935)
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研究分担者 |
佐藤 万知 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (10534901)
鈴木 学 福岡大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70723542)
加藤 かおり 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 総括研究官 (80323997)
足立 佳菜 東北文教大学, 人間科学部, 講師 (20723539) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | TA / SA / FD / 授業改善 |
研究実績の概要 |
本研究では、SA・TAの導入による教育改善のメカニズムはどう説明できるのかを明らかにすることを目的にしている。今年度は、新型コロナウィルスの影響によりオンライン授業を実施した大学も多く、TA・SAの活用方法も大きく変わった。本科研で構築したネットワークメンバーに呼びかけ5月26日(火)に「(緊急ミーティング)オンライン授業におけるSA/TAの活用」をZoomで開催したところ、14組織17名の参加があった。会議では、授業形態の変化の問題ではなく勤務管理など人事的な手続きの問題でTA・SAの活用を断念した大学もあることが分かった。 また6月には大学教育学会第42回大会において「学生アシスタント(QLA)を活用した授業運営において授業前研修の果たす役割分析」、9月にはJSET2020において「対面授業とZoom を用いたオンライン授業の教育資源の違い―SA/TAによる効果的なオンライン授業支援にむけて―」の報告をそれぞれ行った。いずれもオンライン開催の学会であった。 今年度は、科研メンバーとの打ち合わせをオンラインで2回(10月22日、12月14日)と輪講(2021年3月24日)を実施した。オンラインでの打ち合わせは、一人ずつの発言になるためディスカッションもしにくく対面での打ち合わせに比べると効率が悪いが、日程の調整はしやすく、交通費も節約できる。今後はこういったオンラインでのメリットとデメリットを踏まえた手法の導入方法についても検討する必要があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、「SA・TAネットワークの構築」「SA/TAの導入による教育改善のメカニズムの解明」「SA・TAのガイドライン作成」を目指している。 2018年度に作成した「SA・TAネットワークの構築」は、少しずつではあるがメンバーを増やしており、今年度は、急なオンライン授業に対して各大学がTA・SAをオンライン授業でどのように活用しているのかといった状況の情報交換も行った。急な状況変化でも情報収集が可能になった点で、このネットワークを構築してきた意義が見い出せたと言える。今年度は新たな調査は実施しにくい状況であったが、昨年度聞き取り調査を実施したQLAに対して聞き取り調査を行った。新型コロナウィルスの影響で、新たな調査を実施することは難しかったが、これまでの授業録画などの分析を行うことで、「SA・TAの導入による教育改善のメカニズムの解明」をすすめており、2021年度の大学教育学会で発表の予定である。これらの分析をもとに「SA・TAのガイドライン作成」を進める予定ではあるが、オンライン授業に対する扱いをどうするかは現在検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
当初のスケジュールでは今年度は海外から研究者を招いてシンポジウムを開催する予定になっているが、新型コロナウィルスの影響もあるので海外からの招聘が難しい場合にはオンラインでのシンポジウムの開催も検討中である。新型コロナウィルスの影響がどの程度になるかにもよるが、オンラインでの授業支援者の交流の場を設けることも模索中である。新型コロナウィルスの対応で地域によっては授業の形態が大きく変動していることから、TA・SAの活用も大きく変動している最中であることが先の緊急ミーティングで分かっている。こうしたことを踏まえると、当初予定していたアンケートによる実態調査が今後の展開に向けた基盤調査となるのかどうかを含めて検討し直すこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響により、学会などの開催がオンラインに切り替わったことで、旅費の支出が極端に減少したことにより、次年度使用額が生じている。今年度は、新型コロナウィルスの状況によっては国際シンポジウムの開催を予定しており、現地視察や聞き取り調査も再開したいと考えている。
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