研究課題/領域番号 |
18K02837
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
武市 祥司 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 教授 (90291319)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | スピーチ / セマンティック構造 / 可視化 / 潜在意味解析 / 比較対照実験 |
研究実績の概要 |
本年度の主要な実施事項を以下に記す. (1)最も類似度の高い優良スピーチを参照スピーチとして選定するプロトタイプの作成 本年度は,当初の予定であった人工知能機技術の本流のディープラーニングを用いる準備段階として,自然言語処理でも広く使われており,実績のある線形代数的な解析手法である潜在意味解析手法を用いた.そこで,スピーチ原稿の類似度を算出する潜在意味解析の既存プログラムを改良した.自己紹介と大学入学後の自己の成長に関する約10分間の学生スピーチ24件を優良サンプルとして,これらのスピーチの潜在意味解析を実施して特異値行列を作成して,新たなスピーチ原稿のテキストを与え,優良サンプルのスピーチ原稿との類似度を算出する準備を行った. (2)学生の被験者8名を対象にして,参照スピーチの有効性を検証する実験 学生の自己紹介のスピーチを各2回行い,その2回の間に本研究で提案している参照スピーチを用いる改善支援を行い,有効性の確認を行った.まずは,各被験者に約5分間のスピーチを行わせて,その後に比較検証を行うために2群に分けた.すなわち,参照スピーチの共起ネットワーク等の情報を与えた実験群(介入群)と,自分のスピーチを振り返ってもらうだけの対照群である.この後に,各群4名づつ,再度約5分間のスピーチを実施して,実験対象者らの主観的評価,および第3者の聴衆による客観的評価を行った.被験者数が各群で4名づつと少数であったために,すべての評価指標において本手法が統計的に有意な差があるとまでは言えなかったが,実験群の方が比較群よりも評価の向上値は大きくなり,有効性が示唆される結果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書における2年度の実施項目に関しては,人工知能活用のための準備についてはやや遅れがあるものの,実験等に関してはおおむね予定通りに進展している.人工知能活用のための準備が遅れた理由は,データの取得と整備に時間がかかり,これは最終年度に実施する予定である. なお,2年度の成果に関しては,2020年9月に開催される公益社団法人日本工学教育協会第68回年次大会にて発表予定である.
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今後の研究の推進方策 |
初年度以来実施している「わかりやすい」スピーチと「わかりにくい」スピーチの差異をさらに明らかにすることを本年度も継続する. 2年度は,人工知能技術の本流のディープラニングでなく,潜在意味解析を利用したが,最終年度は,構築済みの人工知能用の計算機環境を最終年度は最大限に活用する予定である.具体的には,出現語の抽出やインデックス作成等を実施し,これらの過去のスピーチのデータを参照データとして学習させる.これらの学習結果に対して,新規のスピーチデータを入力すると,最も参考となる参照スピーチを提示した有効性を再度検証する.
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