研究課題
本研究の目的は、大きく3点あった。第一は、学生の授業理解のプロセスの特徴を明らかにすることである。第二は、理解や状況に応じた学習への適切な介入方法を提案することである。第三は、教授支援方法を検討することである。これらを実現するために本研究では、大学教育におけるアクティブラーニング型の授業を対象として、学生が「何を書いているか」「どのような思考をしているか」について、授業中の学生の行動と理解のプロセスの検討を行ってきた。研究手法としては、学生がワークシート等に記入している内容をリアルタイムで把握するデジタルペンによる記録やチャット等の記録を用いて、学生の授業中のライティングのプロセスや内容の分析を行った。2021年度は、とくにリアルタイム授業(Zoom利用)におけるチャットの利用や、Google スライドのような同期型ツールを併用して利用した。対象者について、2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、対面授業からリアルタイム型に変更となったが、2020年度同様、対象者数を減らすことで対応した。今回、速報段階ではあるが、明らかにできたのは以下の2点である。第一に、リアルタイム型授業においては、スクリーンショットをノート代わりに利用する学生が6割を超えるという点である。同一の教授法を採用していると、ノートを取らずに「分かったつもり」になっている可能性が示唆される。第二に、学生の発話内容をリアルタイムで教員、あるいはTA、もしくは機械的な文字起こし機能を併用して文字起こしをして、学生に視覚的に提示する試みが、リアルタイム授業において学生の思考の深化、あるいは内省を促す可能性である。過去の検証では、学生に思考内容を記述させてきたが、新たな手法の可能性が示唆される。現在、これらを実験的な手法でも再現できるか検証を進め、成果をまとめている。
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