本研究は、1)悪意をもって不正行為を行う、もしくは出来心により不成行為を行ってしまった利用者の考えや心理状態の分析とその対策、2)攻撃者・防御者側の視点に基づく学習ツールの開発、の2つに大きく分類される。前者の研究は、法律論に基づく議論やブロッキングなどのインターネット接続事業者からの対策、悪質サーバへの対策とは異なる、利用者視点からの研究であり、従来とは全く異なった視点からの研究である点に価値がある。後者の研究も、情報セキュリティやモラルの学習といえば対策する側(防御側)の視点から学習することがほとんどであったのに対し、攻撃側の視点も取り入れて学ぶという点に大きな価値があるといえる。
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