本研究の意義は、嫌悪感情の強さの規定因としてのsource effectを詳細に検討し、これまで知られていなかった刺激の発生源と受け手の性別の組合せがその効果の強さを規定することを明らかにした点である。このことは、応用的には、セクシャルハラスメントの基準が行為者によって変動する可能性を示唆している。例えば、特に性的でもない行為(相手のペンを借りて使う)が、同性によってなされたのであれば問題ないが、異性による場合には嫌悪感を生じさせる可能性もある。本研究の知見は、このようなsource effectとハラスメント基準の変動性を示唆しており、今後、より詳しい検討が必要である。
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