食物について学ぶことは,健康や長寿のための重要な課題である。食物について学ぶ1つの方法は,身近な他者の食行動や証言を観察することであり,これを食物の社会的学習と言う。先行研究は幼児が食物について社会的に学習することを明らかにしつつあるが,誰からどのように学ぶかは十分に明らかにされていない。ゆえに本研究では,幼児の食物の社会的学習の選択性を検討し,次の成果を得た。①幼児は馴染みのない食物でも他者が「美味しい」と証言するのを聞くとそれを食べたがること,②大人より仲間の「美味しい」という証言の影響力が強いこと,③他者が「体に良い」と証言するのを聞いても幼児は馴染みのない食物を食べたがらないこと。
|