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2022 年度 実績報告書

発達障害児者における強みの探索的研究と精神的健康・社会適応との関連の検証

研究課題

研究課題/領域番号 18K03158
研究機関愛知教育大学

研究代表者

高柳 伸哉  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (20611429)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード中学生 / 発達障害特性 / 自傷行為 / メンタルヘルス / 社会適応
研究実績の概要

2021年度までの活動では長期に及ぶコロナ禍の影響を受け,各種調査や自治体等との連携が十分に行えなかった状況であり,2022年度も同様の影響を受けた。このような中で,これまでの研究連携の取り組みを生かし,2022年度は,一般の中学生を対象としたメンタルヘルス等の調査と,発達障害当事者団体に所属している保護者を対象として質問紙SDQを実施し,対象となる子ども(高校生~社会人まで)の小学生時の様子と現在の様子を回答してもらい,その結果を比較した。その結果,支援を受けてきた発達障害当事者団体に所属する子どもは小学生時と比べて要支援の程度の減少(適応度の増加)する傾向がみられた。ただし,特に当事者団体の調査については対象者が10数人と少数であったため,限られた知見となった。
本研究課題の機関全体を通じて,一般中学校に在籍する生徒における発達障害傾向とメンタルヘルスの関連を検証するとともに,発達障害当事者団体に所属する保護者らの調査を通じて,発達障害特性を有していても一様に問題行動がみられるわけではないことが示された。具体的には,発達障害特性やメンタルヘルス等の要因と自傷行為等の問題行動の関連を検証した結果,発達障害特性よりもメンタルヘルスの悪化により自傷行為につながる傾向が顕著であることが示された。また小学生時に高い発達障害特性がみられたものが一定程度減少する傾向がみられるとともに,支援を受けてきた発達障害当事者では継続的なサポートを受けることや感情調整や対人関係におけるスキルの獲得等により,生活での適応が向上してきた様子がうかがえた。
本研究で得られた結果についてさらに検証を進め,発達障害児者の支援や強みの促進に活用するとともに,今後は一般の子どもたちのメンタルヘルスや問題行動の改善に寄与しうる研究としても発展させていくことを目指す。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 中学3年時における自傷行為の発生に至る軌跡の検証2023

    • 著者名/発表者名
      髙柳伸哉・伊藤大幸・浜田 恵・明翫光宜・中島卓裕・村山恭朗・辻井正次
    • 雑誌名

      教育心理学研究

      巻: 71 ページ: 62-73

    • DOI

      10.5926/jjep.71.62

    • 査読あり
  • [学会発表] 研修セミナー コホート調査の知見を基にした自傷行為,不登校の一次予防的把握と医療・教育連携の検討2022

    • 著者名/発表者名
      髙柳伸哉
    • 学会等名
      第127回日本小児精神神経学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 学童・思春期の縦断的な学校コホート 客観的指標と連携システムについて2022

    • 著者名/発表者名
      髙柳伸哉・伊藤大幸・浜田恵・明翫光宜・村山恭朗・辻井正次
    • 学会等名
      第63回日本児童青年精神医学会総会
  • [図書] 現代の臨床心理学5 臨床心理学と心の健康(第2章 発達障害の社会的支援)2023

    • 著者名/発表者名
      金沢吉展・沢宮容子(編)髙柳伸哉・明翫光宜・浜田 恵・辻井正次
    • 総ページ数
      376
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      978-4-13-015175-7

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公開日: 2023-12-25  

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