研究成果の概要 |
本研究課題の主な目的は, 整数論の分野において重要な研究対象である保型形式の特殊値の数論的性質の解明である. 本研究ではアイゼンシュタイン級数値の代数的独立性に関するNesterenkoの結果を応用し, より一般の保型関数の特殊値に対して代数的独立性を導く判定条件を確立した. 特にその応用として, フィボナッチ数を含む新たなクラスの無限級数や無限積に対する代数的独立性を明らかにした. さらに, S.ChowlaやP.Erdosらによる無理数論における研究手法を発展させ, テータ零値に代表されるような単項式指数をもつ空隙級数に対して線形独立性に関する結果を導いた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
保型形式論からの新たなアプローチを見出し, 幅広い保型関数の特殊値に適用できるような代数的独立性の判定条件を構築したこと, 並びにその応用として新たなクラスの超越数の実例を与えたことは重要である. 本判定条件は, 2つの関数値の代数的独立性と関数の比の非定数性が同値であることを主張するものであり, 応用面においても有用である. 今後の研究の継続・発展が期待できる.
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