当初の計画は、tame非可換射影多様体(=次数付きネター代数の非可換射影スキーム)の一般論を研究することであった。しかし、研究序盤に箙Heisenberg代数(QHA)という代数をM.Herschend氏との共同研究の中で発見し、これが次数付きネター代数の具体例としても有望であるために、その研究に注力した。QHAに変形パラメータを導入し、標数が一般の場合に普遍Auslander-Reiten三角さらには根基冪近似定理等、興味深い性質を明らかにすることに成功し、Etingof-RainsによるDynkin箙に対するQHAの次元公式を標数の仮定を外し、道代数上の加群の同型に格上げすることが出来た。
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