本研究は代数学の一分野である可換環論の発展を目標としている。特に、ヒルベルト函数の理論を積極的に用いる点が特徴である。 本研究では、主に第1および第2ヒルベルト係数による随伴次数環、Rees代数の構造の解明に着手した。具体的には、解析的不分岐なコーエン・マコーレイ局所環内におけるm-準素イデアルの第1および第2正規ヒルベルト係数による随伴次数環の新たな深さの評価を与えた。これらの研究成果は、海外の共同研究者3名との国際共同研究として実施し, 2編の査読付き国際共著論文として発表済みである。また、上述の成果発表を含めた12件の学会発表を実施し、その内の7件は国際学会において成果報告であった。
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