研究成果の概要 |
本研究課題では, 特定の構造をもつ非特異射影代数曲線上の代数曲線束に関して,相対的オイラー・ポアンカレ標数,相対標準因子の自己交点数やファイバーの種数といった不変量がどのような値を取りうるかという代数曲線束のジオグラフィーの問題を研究した.主に射影直線束の3重被覆で与えられる代数曲線束について考察し, 分岐跡の型に応じた不変量間の不等式を証明した.特に,スロープやオイラー・ポアンカレ標数の下限は,ファイバーの種数が3を法として2と合同である場合とそうでない場合では大きく異なることを示した.さらに,具体的に射影直線束の3重被覆を与えて多くの代数曲線束の存在性を証明した.
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