微分空間の圏に,滑らかなホモトピーの概念に基くモデル構造を導入し,それが位相空間の圏のモデル構造とQuillen同値であること示した。また,その過程で現れる「滑らかなセル複体」に対して,ホイットニー近似定理およびホワイトヘッドの定理の類似命題が成り立つことを証明した。次に,一般の微分空間上にシュワルツ超関数と類似の性質を持つ「漸近関数」の代数を構成し,さらに,それを微分空間の間の射(漸近写像とよぶ)の空間へと拡張した。微分空間と漸近写像からなる圏はデカルト閉圏であり,その特質によって,ド・ラームカレントを部分空間として含む「漸近微分形式」の外積代数を一般の微分空間上に構成することが可能となる。
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