研究課題
基盤研究(C)
幾何光学や最速降下曲線に起源を持つ古典的な変分問題の確率版である確率的変分問題について、ポテンシャル項の摂動に対して最適軌道の長時間挙動がどのように変化するのかについての数学的な結果を得た。具体的には、最適軌道の長時間挙動が大きく変化するための条件をモデルに内在するパラメータを用いて与えるとともに、最適軌道の詳しい振る舞いを特徴づけた。また、上記の確率的変分問題に対する離散モデルを構築し、同種の現象が離散モデルでも再現できることを示した。
確率論
連続型確率的変分問題の臨界性理論に関する既知の結果を大幅に改善することができた。特に、粘性ハミルトン・ヤコビ方程式の解の性質や確率的変分問題の最適軌道に関する精密な評価式を得ることができた。また、これまではあまり考察されてこなかった確率的変分問題の離散版に相当するモデルを構築することができた。これらの結果より、確率的変分問題の臨界性理論に関する研究のさらなる学術的な進展が期待される。