研究課題/領域番号 |
18K03356
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
柴田 将敬 名城大学, 理工学部, 准教授 (90359688)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Mahler予想 / 非線形楕円型方程式 / 変分問題 |
研究実績の概要 |
凸幾何学や非線形楕円型方程式に関連する変分問題について、いくつかの研究を推進した。 主に、n次元空間に作用する直交群O(n)の離散部分群Gを指定し、Gの作用に関する対称性を持つ凸体全体に対してvolume productを最小化する問題について研究を進めた。以下の(1)から(3)は、入江博 氏(茨城大学)との共同研究である。 (1) 3次元空間でいくつかの離散部分群Gに対して得られている結果をまとめた論文[Iriyeh and S, Minimal Volume Product of Three Dimensional Convex Bodies with Various Discrete Symmetries]は、Discrete & Computational Geometryへ掲載が決定した。 (2) 高次元の場合に、[Barthe and Fradelizi, Amer. J. Math. 135, (2013)]を一部拡張する結果を得、論文としてまとめた。 (3) 上記の論文で出来ていなかった、3次元空間で、シェーンフリース記号でD_2と表される群の対称性を持つ凸体のvolume product最小化問題について、新規の結果へとつながる手がかりを得た。 その他に、非線型楕円型方程式に関する研究においては、メトリックグラフ上の特異極限問題に関して、頂点に集中する正値解など、様々な正値解の存在を示した結果を、論文[S, Commun. Pure Appl. Anal. 20 (2021)]で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Mahler予想に関連して、さまざまな群対称性を持つ凸体に対するvolumu productの最小化問題に関する研究を推進し、これまで得られていた観察結果や計算結果を論文の形でまとめ、また、新規の結果へつながる手がかりが得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
3次元空間における群対称性を持つ凸体に関するvolume productの最小化問題に関する研究を推進する。特に、不動点が1点となるような群で、これまで結果が得られていないのはシェーンフリース記号でD_2, S_2n, D_ndと表される3種類の群であるが、これらの対称性を持つ凸体の最小化問題を中心に研究・考察を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、日本数学会を始めとした出張や、入江博氏との定期的なセミナーが出来なかったため。
コロナ禍に注意しつつ、可能な範囲で積極的に入江博氏とのセミナー・研究打合せを行い、また、各種研究集会などでの研究情報収集および研究成果の発表を行う。
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