研究課題
基盤研究(C)
集団遺伝学においてNagylakiが導入した遺伝子頻度のモデルを研究した。このモデルは反応拡散方程式を用いて表され,非線形項の空間依存を表す係数g(x)は符号を変えるとする.詳しくは非線形項はg(x)u^2(1-u)とする.Lou-Nagylakiの解の個数に関する2つの予想を否定的に解決した。その結果を報告者(2020)報告者-Su(2020)などに発表した。
非線形反応拡散方程式
本方程式の生物学的な意義に加え,数学的な意義は次のようである.非線形項が符号を変えるようなロジスティックタイプの方程式の正値定常解の分岐構造を研究は1970年代から国内外でさかんに行われてきた.非線形項が符号を変えない場合には,数えきれないほどの先行研究があるが,非線形項が符号を変える場合には変えない場合に比べて国内外でも研究が始まったばかりと言ってよく,その解の挙動は数学的にも複雑で興味深い.