研究課題
基盤研究(C)
本研究では非双曲型力学系に関する大偏差原理を考察し、以下の主定理を示した:位相推移的で正の位相的エントロピーを持つ区分単調区間写像に対して、周期点に重みを持つ不変測度全体がエルゴード的測度全体で稠密であるという仮定のもとで最大エントロピー測度をリファーレンス測度として大偏差原理が成立する。これらの結果は今までに大偏差原理の成立が示されていなかったlinear mod 1-transformationや単調区間が2つであるような区分単調区間写像に応用可能である。
エルゴード理論
力学系に関する大偏差原理の研究は約40年にわたり様々な研究者により継続的になされており、1990年頃にマルコフ型力学系に対して大偏差原理の成立が示されたが、非マルコフ型に関しては十分に研究が進んでいない状況である。本研究により今まで大偏差原理の成立が示されていなかった区分単調区間写像について大偏差原理の成立が示された。