研究課題
基盤研究(C)
本課題研究は、極値組合せ論の問題に現れる離散極値構造を明らかにし、またそのための手法について考察するものである。主な成果を二つ挙げる。(1) 有限体上のベクトル空間に置いて指定された「型」を含まない集合を定式化し、スライスランク法のみでは得られない上界を得た。(2) 多重交差族について、対応する行列のスペクラムを利用する手法を用いて解析し、多重交差族の測度の積の上界とそれを実現する構造を決定した。
組合せ論
上に述べた成果のうち、(1)については「非退化な」解を含まない集合に関する研究において、より強い「非退化性」を定式化し解析したことに意義がある。この視点はこの分野に新しい方向を与え、その後、SauermannやEllenbergによってさらに発展している。交差族を調べる手法はいろいろあるが、現在のところ(2)の成果は固有値を用いる手法によってのみ得られており、この点に特徴がある。