• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

限定算術における強制法の応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K03400
研究機関群馬県立女子大学

研究代表者

黒田 覚  群馬県立女子大学, 文学部, 教授 (30300586)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード計算量理論 / 強制法 / 算術モデル
研究実績の概要

限定算術への強制法の応用として,多項式時間計算可能クラスの部分クラスである対数領域計算可能クラスや命題論理式で決定可能なクラスに対するジェネリックモデルの構成と,計算量クラスの分離問題および命題論理証明の複雑さとの関連についていくつかの結果を得た.例えば該当するクラスが多項式時間計算可能クラスと異なる場合は,多項式時間クラスの体系を満たさないジェネリックモデルが構成できることを証明した.
また,ジェネリックモデルにおいて,量化子を複数含むような論理式が成り立つための条件について考察し,それが対応する計算量クラスや命題論理証明サイズの問題と関連していることも示された.このような論理式の代表的な例としては,多項式時間計算可能関数に対する弱い鳩の巣原理が挙げられるが,ここで得られた結果はそのような鳩の巣原理が成り立つモデルや成り立たないモデルを構成するための重要なアイディアを含んでいる.
さらにNPを表現するような論理式についての数学的帰納法を満たさないジェネリックモデルを構成するという未解決問題に対して,これと同値であるNP論理式で定義される切断の存在という観点から考察を加えた.この問題については,そのような切断を持つジェネリックモデルが満たすべき性質についてのいくつかの予想を得ており,今後の進展が望まれる.
ここで得られた結果の一部は,2019年3月に武漢理工大学(中華人民共和国)で開催された国際会議(Computability Theory and Foundations of Mathematics 2019)での招待講演他,いくつかの学会等で報告済みである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予想していた結果のいくつかが証明されており,学会等での発表についても概ね良好である.

今後の研究の推進方策

前年度に偉られた課題等も含めて,今後も同様に研究を進める予定である.

次年度使用額が生じた理由

参加を予定していたいくつかの学会等について,招待参加となったなどの理由により当初予定より小学の旅費で参加が可能になったため,次年度使用額が生じた.
今年度出席予定の学会等の参加費用として使用する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] On Takeuti-Yasumoto forcing2019

    • 著者名/発表者名
      Satoru Kuroda
    • 学会等名
      Logic Colloquium 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] Forcing in bounded arithmetic for small complexity classes2019

    • 著者名/発表者名
      Satoru Kuroda
    • 学会等名
      Computability Theory and Foundations of Mathematics 2019
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi