本研究課題では,目的変数や説明変数の個数が多いときの多変量線形回帰モデルにおいて,一致性を持つ高速かつ簡便な変数選択法を提案した.ある説明変数が必要・不要の判断は,判定したい説明変数のみを抜いた候補のモデルとフルモデルのモデル選択規準の差により行った.使用するモデル選択規準の一致性は,目的変数と説明変数の個数の和を標本数で割ったものが1未満の定数に収束するという条件の下で標本数を無限大とする漸近理論により評価した.この漸近理論で一致性を保証することで,ある程度大きい標本数があれば,目的変数や説明変数の個数の大小にかかわらず,真の説明変数を選ぶ確率が高くなると期待できる変数選択法が提案できた.
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