本研究では、強く相互作用する遍歴フェルミオン系の基底状態や非平衡ダイナミクスおよび開放量子系の問題に対して、新しい数理的手法を開拓し厳密な結果を確立することを目指して研究を行った。その結果、(i) SU(N) 斥力Hubbard模型における平坦バンド強磁性、(ii) SU(N) 引力Hubbard模型の基底状態に関する厳密な結果、(iii) 量子多体傷跡状態をもつ格子模型の系統的な構成、(iv) フラストレーションフリーなマヨラナフェルミオン系およびパラフェルミオン系の構成、(v) 散逸のある量子スピン鎖のマヨラナフェルミオンを用いた厳密解、などの非自明な結果を得ることに成功した。
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