磁場中の近藤格子模型における超伝導発現の可能性を示した成果は,近年精力的に研究が行われてきた強磁性超伝導体の磁場中の振る舞いについて,微視的な模型とほぼ近似のない手法を用いて初めて明らかにしたものです.ここでいう「微視的な模型」というのは,科学者によって「都合の悪い寄与」などを勝手に無視したりしない,それなりに妥当と思われるモデルを指します.学術的には,微視的な模型で解析し示すことができたことは重要ですが,社会的には税金からの予算を使用して地道に基礎研究をやったということに尽きます.将来的には本研究で明らかになった超伝導機構が間接的に特定の技術等を通して社会に還元されるかもしれません.
|