研究課題/領域番号 |
18K03648
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
馬渡 健太郎 岩手大学, 教育学部, 准教授 (90814096)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヒッグス粒子 / ヒッグス粒子の崩壊 / 付加的ヒッグス粒子の生成 / 素粒子標準理論を超える物理 / 拡張ヒッグス模型 / LHC / ILC / ヘリシティー振幅 |
研究実績の概要 |
前年度に一般公開したヒッグス粒子の崩壊幅、分岐比を様々な拡張ヒッグス模型で数値計算プログラムH-COUP version 2のマニュアルを国際誌にて発表した [Comput. Phys. Commun. 257 (2020) 107512 ]。将来ILC実験等のヒッグス粒子精密測定から素粒子標準理論からのズレが観測された場合、そのズレのパターンと新物理理論からの予言とを照合する際に必要不可欠なツールである。 また、H-COUPプログラム(+その発展版)を用いて、現在進行中のLHC実験、さらには将来の高輝度LHC(HL-LHC)実験における重い付加的ヒッグス粒子の直接探索とILC実験等におけるヒッグス粒子精密測定の間の相補性を調べ、両実験の重要性を明らかにした [Nucl. Phys. B 966 (2021) 115375]。 陽子-陽子散乱であるLHC実験においてはグルーオン、電子-陽電子散乱であるILC実験においてはフォトン(光子)による輻射をゲージ理論に基づき正しくシミュレーションすることが実験データとの比較の上で重要となる。我々はシミュレーションの精度、速度向上を念頭に、散乱振幅の新しい計算手法(パートンシャワーゲージ)を開発、提案した[Eur. Phys. J. C 80 (2020) 584]。本研究課題には直接関係しないが、コライダー実験における新物理探索には、標準模型の予言を正しくシミュレーションすることが鍵となることから本研究課題の遂行に間接的に貢献している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で、予定していた国際会議出席や研究会開催等が行えなかったため本研究課題最終年度としての総括が行えず、予算も含め次年度へ持ち越した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の厳しい状況ではあるが、感染対策を十分施した上で、国内(外)の有効場理論に関する専門家を集めて研究会を開催し、本研究課題の総括としたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に参加予定にしていた研究会が、新型コロナウイルス感染症拡大のため延期、中止になり、そのための旅費予算を次年度に繰り越すこととした。
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