原子核に中性子を増やしていくとあるところで中性子を束縛することができなくなる。この束縛限界は中性子ドリップラインと呼ばれる。酸素・フッ素間では、他とは異なり中性子ドリップラインが大きく変化することが知られている。これは酸素ドリップライン異常と呼ばれ、その起源は明らかになっていない。この特異現象の起源解明を目指し、この領域の非常に中性子過剰な核の分光を行った。核内の陽子を中性子に変化させるアイソスピン増加型の荷電交換反応を用いることで25O、28Fの励起状態を観測することに成功した。また核子分離反応を用いて25O、28F、29Neの分光を行い、これまで知られていなかった非束縛状態を観測した。
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