本研究では、ケプラー宇宙探査機で観測された一部の赤色巨星において見つかっている、抑圧された双極子モードについて、その原因を究明することを目的とした。主な成果は、以下の4点にまとめることができる。(1)磁場に基づく仮説を理論的に詳細に検討し、その不備を示したこと。(2)赤色巨星の振動の漸近理論を発展させ、周波数スペクトルの微細構造を物理的に説明することに成功したこと。(3)一般の恒星について、化学組成分布に不連続がある場合を含めて、固有振動周波数を決定する表式を導出したこと。(4)赤色巨星の前段階である主系列星において、内部磁場検出の可能性を検討し、実際に候補天体を見つけたこと。
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