ウエッデル海において、生物放出のみでは説明できない高濃度のヨウ素(I2)と一酸化ヨウ素ラジカル(IO)が観測されている。この観測結果は、無機化学反応など別の生成源があることを示唆している。そこで本研究ではこれらの発生源を明らかにするため、氷中でのヨウ化物イオン(I-)の光酸化反応、並びにI-を含む凍結した水溶液表面とオゾン(O3)もしくは二酸化窒素(NO2)との反応によって氷から放出されるヨウ素の計測を行った。結果は海氷や雪氷などの氷中や表面での反応は極域でのヨウ素放出源になりうることを示唆していた。またヨウ素活性化機構を解明することができた。
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