研究課題
基盤研究(C)
アルゴフロートや流速計による現場観測データ、衛星から観測された海面高度データ、これらの観測データを同化した海洋再解析データセット、単純な海洋モデル、洗練された海洋大循環モデル、といったこの分野で使用できるほとんどの手段を組み合わせて用い、南インド洋の水塊の水温塩分の変動、海盆規模の循環の変化、季節内スケールから経年スケールにおける波動といった現象を調べた。観測データを使用して現象を特定し描写するとともに、数値モデルを用いて現象の原因を特定し、簡単な数値実験によって予測可能性について議論した。
海洋物理
研究によって得られた成果から、水塊の沈み込みを通じた海洋による熱の取り込み、インド洋の循環と太平洋の風系変動の関連、インド洋の亜表層の流れの変動、亜表層を伝播する波動、オーストラリア沿岸の海面高度変動の予測可能性、赤道波の成因を明らかにした。これらの現象は海洋内部の貯熱量や循環による熱輸送、およびそれらの経年的な変化に関わっている。研究成果から特定された時間スケールは経年から十年規模であり(周期が7~15年程度)、これらの周期の気候変動の理解に貢献すると考えられる。