東南アジアが白亜紀中期に砂漠化した証拠は先行研究でも示されてきた.しかし先行研究は内陸域において実施されたものなので,内陸性気候特有のローカルな気候変化にすぎない可能性を否定できなかった.今回の研究では,全て沿岸域を研究対象として選定している.したがって,本結果は全球的な気候変動の表れであることが示された.また,白亜紀中期は温暖化が進行した代表的な地質時代であり,近未来,人類と地球が直面するであろう環境変動の予測に役立つ研究対象である.本研究では,温暖化が東南アジア低緯度地域の乾燥化を引き起こすことを示唆した.したがって,近未来,同様の環境変動が発動されうることが示唆された.
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