スロー地震の発生メカニズム解明に向け、イベントの発生に伴う地殻構造の時間変化推定を実施した。地下の電気伝導度構造を推定するためのMT法の連続観測を継続し、解析パラメタの時間変化を推定するための解析手法を改良した。その手法を2008年から四国西部で取得している時系列データへ適用し、2009年に四国西部において発生した深部低周波微動に同期する見かけ比抵抗及び位相の変化を検出した。また、フォワードモデリングにより、7 km以深の構造変化で説明できることを明らかにした。さらに、2010年に豊後水道において発生した長期的スロースリップに起因すると考えられる長期的な見かけ比抵抗低下の検出に成功した。
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