本研究では、南太平洋クック・オーストラル諸島の陸域・海域における海洋島玄武岩のメルト包有物から主要元素、微量元素、揮発性元素および同位体比を局所分析することにより、地球内部物質循環を解明することを目的とした。しかし陸域試料に関しては、マグマが徐冷されたためメルト包有物がガラス質ではなく、多成分分析を行えなかった。また海域試料に関しては、メルト包有物そのものが得られなかった。代替策として、陸域および海域の海洋島玄武岩試料の全岩化学組成及び全岩同位体比を高精度に分析し、それぞれの試料の化学的特徴を明らかにした。海域試料については年代測定を行い、周囲の島々における噴出年代と整合的な結果が得られた。
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