白亜紀に起きた海生脊椎動物の多様化や絶滅などの現象の地域差や地理的な規模を検証することを目的に、道東と道央~道北地域の複数の地点で上部白亜系根室層群、佐呂間層群、蝦夷層群の野外調査と、主に地元の博物館等が所蔵する標本の調査を行った。野外調査ではごく少数ながら追加標本を得た。博物館等の所蔵標本では北海道の上部白亜系からは報告例の少ない「首の短い」首長竜化石や魚類化石を中心とする標本を調査し、未記載標本の所在を確認し、サメ類やプリオサウルス類首長竜の化石の記載などによって、日本や世界の他地域の同年代の化石脊椎動物相との共通点と相違点を見出すことに成功した。
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