本研究の目的は,加工槽を不要にし,工具電極と工作物間に加工液として純水を掛け流す「高速・省エネくり抜き放電加工」の開発である.本研究では特に,くり抜き放電加工の高速化手段を検討し,以下の結果を得た. (1)加工液の掛け流し速度の効果:掛け流し速度が増すと加工速度も上昇するが,次第に収束する.(2)くり抜き加工経路の効果:L字形電極先端を下に向け水平方向に送る経路を用いると,加工状態が最も安定する.(3)微粒子添加の効果:添加微粒子の粒径を小さくすると,正常放電回数が減少するにも関わらず加工速度は速くなり,粒径の大きな加工くずの割合が多くなる.
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