研究課題
基盤研究(C)
本研究課題は,球面などの立体形状に対し特殊な切削加工法で細かな周期的な凹凸(テクスチャ)を高速に創成し,摩擦・摩耗を現象させる技術について研究した.まず,テクスチャを創成する加工機の構築および加工試験を実施した.試験の結果,凹球面へ理論通りのテクスチャが創成できることを確認した.また,創成したテクスチャが摩擦減少に効果があるのかを確認するための摩擦試験機を設計,製作した.今後は,より成果を社会に還元すべく,摩擦を減少させるテクスチャの最適化手法について研究を行いたい.
機械加工・機械要素
近年,高硬度,耐摩耗性,耐腐食性,生体適合性に優れた機能性材料が開発されている.それらの材料は,過酷な環境下で使用される摺動部を持つ機械類,人工股関節など医療製品への活用が期待されている.これらの摺動部を有する製品は,その動作を滑らかにすること,長寿命化や信頼性向上のため,耐摩耗性の向上,摩擦抵抗の減少が強く望まれる.現在,脱炭素社会実現のため省エネにつながる摩擦低減技術が重要になる.本研究課題の成果は,曲面へのテクスチャ加工により,これらの問題を解決できる糸口を見出したと考える.