本研究は,蓄熱物質を熱輸送媒体に混合させて,単位体積あたりの熱輸送量を増加させる熱輸送技術において,新たに血液中の赤血球をモデルとした弾性変形可能なカプセルに,蓄熱物質を内封させて熱輸送媒体と混合させる技術開発を行った.その結果,ゼラチンをカプセル材料とすることで含有する潜熱蓄熱材が液相時には柔らかくなるカプセルが作製された.さらに,カプセルスラリーの流動抵抗と熱伝達特性の測定を行い,潜熱蓄熱材が液相時のカプセルスラリーの熱伝達が,固相時よりも高くなることや,相変化によってスラリーの熱伝達特性が増加することが確認された.
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