本研究では、静電浮遊炉内に浮遊溶融する直径2mm程度の高温融体(球状)にレーザーを当て、反射光の偏光情報から試料の輻射率を算出する方法を確立する。既設の定圧比熱測定法等を組み合わせて、幅広い温度範囲での測定が可能となる。薄膜技術の進展に伴って安価なエリプソメータ(偏光計)が入手可能となり、これを用いて技術確立を進めた。偏光による輻射率計測は原理的に平板状の試料でレーザーが反射し、強い反射光が偏光計に入射することを前提としている。直径2mmの試料では、この前提が成り立たず、地上静電浮遊炉での計測は困難なことが明らかとなった。今後、試料回転による扁平形状を利用した計測の検討を進める。
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