中空鋼製柱のCFT化は必ずしも望ましくない耐力上昇をもたらす.既設構造では基礎の補強が困難であるので,基礎の耐力がCFT化で上昇した柱の耐力を下回ることも稀ではなく,地震時に基礎の損傷が先行すると柱が十分な耐震性能を発揮できないという問題が生じる.充填コンクリートに中間弱層を設けた2相構造を導入することで,CFT柱の変形性能を保持しつつ耐力上昇を抑制するという従来のCFT化では不可能であった2つの要素を独立に制御ができるようになる.したがって,従来CFT化による鋼製柱の耐震補強法でのネックであった上記問題は,本試みにより解消され,CFT化による耐震補強が容易になる.
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