東日本大震災クラスの地震・津波災害が今後数十年の間に発生する確率は非常に高いと言われている.そのような状況において同規模の津波が作用した場合の海岸構造物の被害予測は,事前の対策を行う上で非常に重要である.数値シミュレーションがそのような被害予測ツールの一つとして有効であることは言うまでもないが,本研究では多数のブロックや礫が流出する被害の再現に初めて成功した.シミュレーションモデルのさらなる改良は必要であるが,これを適用することにより海岸堤防の被害軽減対策を講じるにあたって,より効果的な手段を考える一助となりうるであろう.
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