本研究では,換気カプセル法の原理を適用した調湿性能評価装置を開発し,模型実験による装置の基礎的な検討を行った。また,開発した装置を用いて実住宅における壁面での吸放湿量を測定し,測定位置や内装仕上げの違いによる吸放湿量の比較を行った。模型実験では,最も測定精度が高くなるカプセルの寸法とカプセル内の換気回数について試算した。実住宅における現場測定では,1日あたりの吸放湿量は,床高さの低い位置の方が吸湿量は大きく,放湿量は小さいことを明らかにした。また,内装仕上げの違いについては,ビニールクロスは吸湿と放湿を繰り返している様子を捉えたのに対して,珪藻土は常に吸湿し,その量も多いことを把握した。
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