開発圧にさらされた歴史的市街の価値保全のためには、都市空間の固有の価値を維持した漸進的更新手法の確立が必要であり、また都市の固有性は都市空間における時間的重層性により規定されるとの問題意識と仮説に基づき、主にヴァーラーナシー旧市街地をケーススタディとする都市空間更新の実態解明を行った。具体的には、街路の形成・変容過程と利用特性、および市街地に散在するヒンドゥー寺院にまつわる増築現象や再開発の中での寺院の扱われ方について実態を明らかにした。また、3Dスキャンカメラを用いた街路空間の3Dモデルを作成、そこから空間的特徴や時間的変化を読み取る手法を試行した。
|