研究課題/領域番号 |
18K04496
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
富岡 由美 東邦大学, 看護学部, 教授 (70305853)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 活動量 / 唾液アミラーゼ / メンタルヘルス / GHQ28 / 育児 / 女性 |
研究実績の概要 |
研究目的は育児期の女性の健康状態と居住環境との関連性を明らかにすることである。これまで2回の調査を実施し、1次調査の結果は、部屋数や居住空間の広さが育児期の女性のメンタルヘルスを悪化させ、さらに部屋数が多くなるほど健康状態が悪化する結果を明らかにした。2次調査では、産後2か月の女性に活動量計を装着してもらい、居住内での生活活動量(家事や子育てで生じる活動量)と居住環境・メンタルヘルスとの関連性を明らかにすることを目的に調査を行った。その結果、自身の居住環境に満足をしていることが、精神健康状態を良好に導いていた。女性は自室を所有する事を望んでおらず、自身の専用のスペースを持つことは、精神健康状態や住まいの満足度によい影響を与えていなかった。活動量に関しては、歩行と生活活動を識別しMETsを算出することが出来る、活動量計を使用し測定を実施した。就寝時間を除き、平均7時間座った状態であることが明らかとなった。また、産後の女性はWHOや厚生労働省の推奨以上の身体活動をしており、新たな発見であった。そこで、3次研究は、育児中の女性のメンタルヘルスに影響を与える具体的な要因を明らかにすることとした。住居内で行われる低強度の身体活動(家事や育児)を活動量計で評価し、メンタルヘルスに与える影響を明らかにすることを目的とした。メンタルヘルスの評価にはGHQ28(精神健康調査票:日本版)と唾液アミラーゼ(ニプロ唾液アミラーゼモニター)を使用する。家事や育児の低強度の身体活動は、がん性疼痛や小児疾患などの症状を軽減するなど、身体によい影響を与えることが明らかになりつつある。低強度の身体活動の前後でアミラーゼの変化を明らかにし、住居内で行われる身体活動がメンタルヘルス(ストレス)に与える影響を、心理面と、身体面の両側から明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響が長引き、大学での教育活動に変更が多く、その対応に時間を費やした。また、研究対象施設の協力も得られず研究の着手が遅れた。同時に当初予定してい取得したデータの解析が、企業のコロナPCR検査の対応のため実施できなくなったことも遅れた要因である。
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今後の研究の推進方策 |
大学倫理審査の承認も得て、データの収集中である。8月末までにデータの収集を終え、その後解析、論文の執筆を行う。2023年度中に論文の投稿を終える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症で研究計画が遅延したため、研究に必要となる物品が購入できなかった。2023年度の購入物品は、PC、活動量計(オムロンHJA-750CActive style Pro)×10、唾液アミラーゼ測定キット(ニプロ)×10、謝礼図書券(¥3000×120)の購入を予定し、予算を執行する。
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