本研究課題では海外建設プロジェクトの官民連携手法を調査してきた。その中で、発注者の意思決定は設計変更の発生や細部の決定の遅延に関わり、プロジェクトの進行に大きく影響するため、日本と海外の発注者がプロジェクトのリスクをどのようにとらえ、対応するのかの把握が重要であると考えた。そこで、代表例として日本と米国の工事請負契約約款の比較、および両国の複数の建築プロジェクトにおける設計変更・追加予算承認プロセスの比較分析を行った。比較分析の結果、日本側の問題点として①設計変更のリスク分担の曖昧さ、②契約図書中に確定した仕様と暫定仕様が混在していることを示した。
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