研究課題
基盤研究(C)
本研究は、日米英における設計分業体制の実態を調査分析し、わが国の特殊性を明確にした。仕様分類体系や設計契約環境の整備は、設計分業を促す環境の構築につながり、ICT化・BIM化は、建築生産のプロセスや設計者の職域を変化させ、従来とは異なる設計分業体制をつくりだすと結論づけた。役割と責任を明確にすることは、適切な設計分業体制に不可欠である。IPDやECIのような協業を前提とした設計分業体制の構築が、わが国における設計プロセスの将来像の一つであると考察した。
設計マネジメント
日本においてBIMが英米ほど普及しない理由が、標準化をはじめとした社会システムの違いにあることを示した点、商習慣に合わせた適切な標準化と制度設計が重要であることを指摘した点、さらに、設計者間あるいは建設産業界全体で協業を推進する中で「分業にもとづく協業」が一つの方策であることを示した点で、学術的および社会的な意義がある。