本研究の成果は、災害時を想定し電動工具類は使用せずスパナによるボルト締め作業のみで組み立て可能な優れた作業性、わずか半日の急速施工で供用を可とする迅速性を達成させたことである。従来、橋は強度や耐久性を重視する設計思想で造られてきたが、災害復旧のための橋にはそれらとは異なる思想で考案する必要がある。特に、人命救助の観点から、被災後72時間以内の救出を果たすためには、被災地に関する情報収集の時間、被災地までの輸送時間、現地での架設時間を極力短縮しなければならない。この意味において、新しい思想を取り入れた学術的意義と架設時間の短縮化により迅速に復旧できる社会的意義がある。
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