研究課題
基盤研究(C)
本研究では、水素化物イオン(ヒドリド)の特徴に着目しヒドリドを多く含む化合物の探索を行った。その結果、特異な結晶構造を有しヒドリドを高密度で含有する新規チタン水素化物を発見し、ヒドリド由来の特異な電子状態を有することを見出した。また従来よりも1.5倍から2倍の高濃度でヒドリドを含む新規遷移金属酸水素化物を発見、および元素置換によるヒドリド量および物性の制御に成功した。今後イオン伝導性や触媒能など機能性材料としての展開が期待される。
固体化学、固体物性
水素化物イオン(ヒドリド)は、酸化物イオンをはじめとする一般的なアニオンと比べて大きく異なる特徴を有し、従来のセラミックスを超えた機能性が期待されている。しかし既存物質が少ないこと、およびそれらに含有されるヒドリド量が少ないことが問題点として挙げられる。そこで本研究では、従来よりも高濃度にヒドリドを含有する新物質を探索した。その結果、従来にない新構造を有し高濃度にヒドリドを含有する新規水素化物や、従来よりも最大2倍の濃度でヒドリドを含む新規遷移金属酸水素化物の合成に成功した。