マグネシウム合金の成形性向上は実用化に向けて非常に重要な課題である。析出強化型合金は時効により、強度が向上する利点はあるが、一般的に、延性低下が伴うため、成形性の面において、第二相粒子の析出を避けるべきと考えられてきた。本研究では、集合組織を制御したAZ61合金圧延材に対し、時効処理が室温~225℃の深絞り成形性に与える影響を初めて調査した。その結果、時効条件や成形温度によるが、β相(Mg17Al12)析出粒子を多く含む時効材は、未時効材に比べ、強度と深絞り成形性の同時向上が可能であることを明らかにした。
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