化学物質には、右手と左手のように鏡像の関係にある化合物があり、それがキラル化合物である。キラル化合物は生体に対して異なる作用を持つことがあり、例えば、医薬品の場合、一方は薬として働くが、鏡像関係にあるもう一方は害をもたらすことがある。従って、キラリティーの識別が大変重要視されている。本研究は、このキラリティーを簡便に分析することが可能な蛍光キラルセンサーの開発を、特異な光学特性を持つ量子ドットを活用して実現することを目指したものである。実際に、蛍光キラルセンシングに適用可能なセンサーを創製でき、キラルセンサーの開発に関する重要な知見が得られた。
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