本研究はテラヘルツ時間領域分光,特に1.5μm帯パルスレーザーを使用するシステムで使用される光伝導アンテナの高性能化を主目的とした.極低雑音性を有する低温成長GaAsにおいて,励起光の非線形吸収を金属ナノパターンにおけるプラズモン共鳴とファブリペロー共鳴で増強することでTHz波発生・検出感度を向上させる.基板側に分布ブラッグ反射器を組み込むことで,電子線露光法を用いた素子作製に対応し,かつ高増強度が得られるデバイス構造を明らかにした.また低温成長GaAsにおける線形,非線形吸収の定量化を行った.さらに低温成長GaAs光伝導アンテナにおける信号および雑音の素子パラメータ依存性を明らかにした.
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