初のアニオン性イリジウム1価3核オキソクラスターを独自に合成した。その高い求核性を活用して金または銀錯体との反応を行い、IrM (M = Au, Ag)の組成を有する混合金属4核オキソクラスター及びIr6Ag2の組成を有する混合金属8核オキソクラスターを新規に合成し、各種スペクトル及びX線解析により構造の詳細を明らかにした。これら混合金属クラスターの量子化学計算の結果、イリジウム中心の充填5dオービタルと金中心の空の6sおよび銀中心の空の5sオービタルとの強い相互作用が示され、イリジウム‐金およびイリジウム‐銀結合がイリジウム中心から金または銀中心への供与結合であることが判明した。
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